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介護の基礎知識 施設形態
2018/10/02

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?仕事内容や1日の流れ

「サービス付き高齢者向け住宅」で働くために必要なスキルや具体的な仕事内容をご紹介します。介護施設の特徴をよく理解しないまま働いてしまうと、「見守り中心だと思っていたのに、身体介護が多い」等ミスマッチが生じてしまうこともあるので注意が必要です。

特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」など、高齢者向けの施設にはさまざまな種類があります。自立した高齢者の利用も多いサービス付き高齢者向け住宅での仕事内容は、住宅利用者の身体的なサポートのみならず、お部屋の電気を取り替えたり、日常生活の相談にのったりと、仕事内容は多岐にわたります。

そこで今回は、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」で働くために必要なスキルや具体的な仕事内容をご紹介しましょう。「自分のスキルを活かしながら働きたい」「自分に合った環境で働きたい」と考えている方は、サ高住もぜひ視野に入れてみてください。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?

「サービス付き高齢者向け住宅」は、「サ高住」と略されて呼ばれることも多く、高齢の単身者あるいは夫婦で入居することができる住宅施設です。

「高齢者住まい法」の改正により創設された施設内は完全バリアフリーで、日中は、介護福祉士ケアマネージャーといった専門家を配置することが義務付けられています。

サ高住で働く介護スタッフは、ドクターや薬剤師といった医療のスペシャリストともうまく連携をとりながら、高齢者の暮らしを守る重要な役割を担っているのです。

以前は高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)がありましたが、2011年高齢者住まい法の改正に伴い、現在はサービス付き高齢者向け住宅に統一されています。

サービス付き高齢者向け住宅の定義

サービス付き高齢者向け住宅は、法律で一定の住宅の基準が定められており、都道府県・政令市・中核市の登録制となっています。

住宅の基準については床面積は原則25㎡以上であること、構造・設備が一定の基準を満たすこと、バリアフリー構造であることが条件です。

契約内容の取り決めとしては、長期入院を理由に事業者から一方的に解約できないこととしているなど、居住の安定が図られた契約であること、敷金、家賃、サービス対価以外の金銭を徴収しないこととなっています。

また、サービス付き高齢者向け住宅に入居できるのは60歳以上の方または要支援・要介護認定者となっています。

サービス付き高齢者向け住宅で受けられるサービス

サービス付き高齢者向け住宅では安否確認サービス・生活相談サービスが必須となっており、それ以外の食事の提供、清掃・洗濯等は運営企業により異なります。

介護サービスは本人の必要なサービスが受けられるものとしており、食事の介助や整容、排せつ介助などが受けられます。サ高住によって受けられるサービスが異なるため、比較しながらどのサービス付き高齢者住宅に入居するかを検討する方も多いようです。

サ高住での仕事内容は?

サ高住での仕事内容は、常駐するスタッフによる安否確認と生活相談がメイン業務となります。しかし、「デイサービス併設型」と「訪問介護利用型」のどちらに勤めるかによって大きく変わるのです。

  • 「デイサービス併設型」・・・夜間のおむつ交換や見守りが中心
  • 「訪問介護利用型」・・・昼間のおむつ交換や食事介助、入浴介助がメイン

また、食事や部屋の掃除、利用者の衣類や枕カバー、タオルの洗濯といった身の回りのサポート、機能訓練指導員によるリハビリテーションは、必要に応じて外部の事業所に依頼します。作業療法士や薬剤師、ドクターとの連携が求められる「サービス付き高齢者向け住宅」で働くスタッフは、入居者の相談役や話し相手としてじっくりコミュニケーションをとることが重要な業務となるのです。

サ高住での主な1日の仕事の流れ

7:00 起床

利用者の部屋に伺って「おはようございます」と声をかけ、声のトーンや顔色、表情から、体調や心の状態を確認します。

「昨日はなんだか眠れなかったわ」「今朝は食欲がないのよ」と、自分から歩み寄ってくれる利用者ばかりではありません。自分から利用者に積極的に声をかけましょう。ちなみに、施設よって利用者の起床時間はバラバラです。

8:00 朝食

利用者がすぐに朝食を食べられるように、食堂で食事の配膳や後片付けをおこないます。食事中、高齢者が食べ物を喉に詰まらせたりしないよう、側で見守りましょう。

また、「いつもは食べる○○を、今日は食べ残している」「咀嚼回数が少ない」という点にも注意を払う必要があります。

9:30 安否確認

各部屋を訪問して利用者に声かけをしながら、具合は悪くないかどうか、体調に異変はないかどうかを確認します。また、朝食のあとは近所のスーパーやクリニック、郵便局に出かける利用者のお見送りをおこなうことも。

12:00〜のランチタイムまでは時間が空くため、共有スペースの棚をモップがけしたり、床磨きをしたり環境整備をおこないましょう。

12:00 昼食

食堂で食事の配膳や食事中の見守り、後片付けをおこないます。

13:00 生活相談

利用者ご本人とその家族から、健康状態や日常生活、介護サービスについての相談を受けることも。

必要に応じて、医療や介護など各機関への案内や提案をおこない、利用者が安心して身を委ねられる環境づくりに専念しましょう。

15:00 レクリエーション

誕生日、バレンタイン、クリスマス、花火大会などの季節ごとのイベントや、陶芸教室、麻雀、映画鑑賞といったレクリーションを実施。施設によっては、地域住民との親睦を深めることを目的に、外部交流会をおこなうケースもあります。

レクリエーションの時間は、「サービス付き高齢者向け住宅」で暮らす利用者の楽しみでもあるのです。積極的に企画を出して、利用者が心地よく過ごせる空間づくりを心がけましょう。

18:00 夕食

食堂で食事の配膳や食事中の見守り、後片付け。

19:00 お茶出し・談話

外出から帰ってきた利用者のお出迎え、共有スペースで過ごす方へのお茶出しなど、就寝前のくつろぎタイムを提供しましょう。

21:00 就寝

居室に戻る利用者に「おやすみなさい」と一声かけ、夜勤の場合は見回りや記録の記入・緊急コールの対応をします。

 

サ高住で実際に働く際、基本的には、早番や遅番など1日の中で決められた時間の勤務となります。

サ高住の最大の魅力は、利用者がこれまで家で暮らしていたのと同じような、のんびりとした生活を送れる点。きっちり決められたスケジュールや厳しいルールが少ないため、サ高住で働くスタッフにも臨機応変な対応が求められます。

また、デイサービスや訪問介護のように送迎などの移動がないため、ほかの介護施設に比べて体力的に楽で働きやすいという声もあるようです。

サ高住で働くメリット

サ高住で働くメリットは、以下のようなものがあります。

夜勤や残業の負担が少ない

サ高住の多くは、施設型サービスと比較しておむつ交換などのケアが少ないため、心身への負担は少ない傾向にあります。

さらに、状態が安定している高齢者が多いため急変が少なく残業もほとんどありません。夜勤や残業が少ないことからプライベートや家庭と両立して働くことができるというメリットがあります。

介護以外にも接遇などが学べる

サ高住は介護の職場の中でも接遇が重要視される傾向にあり、利用者はお客様という扱いをされます。中には丁寧な接遇をするためにコンシェルジュなどを雇うところもあるほどです。

他のスタッフが接遇を丁寧に心掛けているため、当然介護士たちにも丁寧な接遇が求められます。利用者をお客様とし、丁寧な接遇をするということはサ高住ならではであり、接遇が学べるのもメリットとなります。

学んだ接遇は将来的に利用者相手だけでなく、利用者家族とのかかわりなどさまざまな場面で生かすことができるでしょう。

介護職への待遇が良い

補助金の影響により、介護職への待遇が良いというのもサ高住ならではのメリットです。

サ高住を建設する際には補助金によるお金の援助が受けられたり、税制が優遇されたりします。その影響で介護職への給料面に還元する施設も多く、給料の相場は22~26万円です。

夜勤の回数が少なくても、夜勤を多くしている施設型介護サービスで働く介護職と同等の金額をもらえることもあります。

サ高住はなぜ増加しているのか

サ高住は2015年には約5500軒だったのですが、2018年には約7000軒まで増加。約4年間で1.27倍も増加したことになります。サ高住が増えてきた背景には次のような理由があります。

施設数の不足による待機老人の増加

日本の高齢化に伴い問題となっているのが、施設数の不足による待機老人の増加です。

介護保険事業状況報告によると、平成25 年 4 月時点で 65 歳以上の第 1 号被保険者数は 3,100万人。そのうち要介護および要支援認定者は 550 万人いるとしています。

さらにこのうち施設入所者は約 3 割程度となり、特別養護老人ホーム入居待ちである、いわゆる待機老人が 40 万人を超えるなど、施設の数が不足していることが浮き彫りとなっています。

要介護状態で介護が必要にもかかわらず施設にも入れない、あるいは要介護状態となる前に施設を探しておきたいという高齢者のニーズに応えるために、サービス付き高齢者向け住宅は増加しているのです。

自分の家が介護に適した家ではない

もう1つの背景として、自分の家が介護に適した家ではないということがあります。

住宅がバリアフリーなど高齢者にも住みやすい設備を整えるようになったのは1990年代。それより前に建った家の多くはバリアフリーでないなど、高齢者が住みにくい住宅設計です。

さらに、家族に介護を頼めない単身高齢者世帯が増加していることにより、居住環境が整った場所で住みたいという高齢者のニーズもサ高住が増加している一因となっています。

補助金の存在

さらに、今回知っておきたいのが補助金の存在です。近年、国は在宅介護を推進すべく、新たにサ高住として登録される住宅に対し、直接補助を行っています。

例えば、サ高住を新築する場合は、その事費の1/10以内(上限:135万円/戸)が助成され、さらに既存のデイサービスなどに高齢者生活支援施設を合築・併設する場合にも、1000万円を上限として助成金が交付されることが挙げられます。それだけでなく所得税や固定資産税、不動産所得税などの税制面でも優遇措置がとられています。

国土交通省の方針としては2030年までに60万戸まで整備する、つまり現状の約3倍サ高住を増やすということが計画されており、国から補助が得られるということもサービス付き高齢者住宅が増加している一因となっています。

まとめ

サ高住は、ある程度自立した生活ができる高齢者だけではなく、要介護レベルが高い方、認知症の方も入居しています。入居者のニーズに合わせて、身体介護や食事、入浴排泄介助をおこなうこと、買い物代行や掃除、洗濯といった生活サポートなど、働く施設によって業務内容は大きく異なります。

そのため、介護施設の特徴をよく理解しないまま働いてしまうと、「見守り中心だと思っていたのに、身体介護が多い」「思ったより要介護度の高い入居者が多くて体力的にも精神的にもキツイ」というミスマッチが生じてしまうことも……。

相性の良い施設と巡り会うためには、「利用者の特徴」「認知症の方も対応しているのか」「主にどんなサービスを提供しているのか」などをきちんと確認しておきましょう。

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