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- 介護士の給料はどのくらい?平均相場と給料が上がる3つの可能性
厚生労働省の調べによると、2025年には65歳以上の高齢者が3,657万人に達すると言われています。日本の高齢化は世界的に見ても、例をみないスピードで進んでいるのです。これだけ高齢化が進んでいるにも関わらず、介護業界では圧倒的に人手が足りていません。
これからいっそう世の中に求められていく介護士。その介護士の給料はどのくらいなのでしょうか?ここでは、介護士の給料の平均相場と給料を上げていくための3つの方法についてご紹介します。
介護士の給料の手取りっていくら?平均相場は?
平成29年に、厚生労働省が行った「賃金構造基本統計調査」によると、介護施設で勤める職員の平均月給は233,600円。所得税や社会保険料などが引かれ、手取りの相場は219,900円という結果が報告されています。
経験の浅い介護士だけでなく、経験豊富なベテラン介護士を含めた平均月給がこの金額なので、決して高くはない水準です。ただし、実は平均給料が低いのには計算上のからくりもあり、職種として低いとは一概には言い切れません。
介護士の給料が低い理由とは?
訪問ヘルパーに非正規雇用が多い
介護士の平均給料が安いひとつの理由は、主婦層のパートタイマーが多いということ。「介護労働安定センター」がおこなった労働実態調査によると、訪問ヘルパーにおける非正規職員の割合は8割強という結果が出ています。
国家資格である介護士は、一度取得さえすれば更新の手続きの必要がありません。そのため、結婚や出産で一度職場を離れたけれど、子育てもひと段落ついて復職したいと考えるので主婦層が多くいるもの。非正規雇用が増えてしまうことによって、介護士全体の平均給料が下がっているのです。
介護報酬削減
もう一つの原因だとされているのが、介護報酬の削減。そもそも介護報酬とは、特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護といった介護サービスを提供する施設に対し、利用者からの報酬が対価として支払われる制度のことです。
介護保険法が施行されて以降、日本では、高齢化の影響を受けて介護保険サービス全体にかかる費用が右肩上がりに増加。2000年度に約3兆6000億円だったものが、2014年度には10兆円にまで達しています。つまり、介護保険料が国の予算を圧迫し、高齢化が進むにつれて日本は財政難に陥る危険性があるのです。
この対策として、2018年に介護報酬が引き下げられました。高齢者がより質の高い介護サービスを受けられるよう、介護報酬や加算の仕組みを見直そうというもの。利用者は負担が減って助かるものの介護事業主側はその分、多くカバーしなければならないため経営難に陥ってしまうのです。
介護職員処遇改善加算とは?
これからいっそう介護人口が増えていくにもかかわらず、拘束時間や肉体的・精神的負担に対して介護士の給料が十分ではないことは、数年前より問題視されていました。こうした流れを受けて厚生労働省では、平成 29年度の介護報酬改定において、介護職員処遇改善加算という制度を新たに制定。
介護職員処遇改善加算とは、介護職員のキャリアアップの仕組みを作ったり、職場環境の改善をおこなった介護サービス事業所に対して、賃金を上げるためのお金を支給するというもの。尚、介護職員処遇改善加算を受け取れる条件は下記の通りです。(厚生労働省「介護職員処遇改善加算」のご案内より)
キャリアパス要件:Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの3種類の要件があります。
Ⅰ…職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
Ⅱ…資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
Ⅲ…経験、もしくは資格などに応じて昇給する仕組みまたは、一定の基準に基づき定期に昇給を 判定する仕組みを設けること。
キャリアパス要件Ⅲによる昇給の仕組みの例
「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組み
「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組み
「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組み
▶職場環境等要件:賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施すること。※ 介護職員処遇改善加算を取得するにあたっては、賃金改善などの処遇改善の内容について、 雇用する全ての介護職員へ周知することが必要です。
介護士の給料が今よりも上がる3つの方法
介護職員処遇改善加算を受け取る
平成28年に厚生労働省が発表した「平成28年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」によると、全国約8,000の介護事業所のうち9割が「介護職員処遇改善加算」を取得。また、介護職員(月給・常勤の者)の平均給与額は、平成27年と平成278年を比較すると、9,530円もアップしているという結果が報告されています。
手当てを増やす
多くの人が避けがちな、夜勤や休日出勤といった業務時間外の手当てを増やすのも、給料をアップさせるひとつの手段です。手当ての種類や支給額は施設によって違いはあるかもしれませんが、1回ごとの夜勤手当ては大体5,000円〜8,000円前後。年末年始手当を用意している施設では、1日につき2,000円~4,000円程度支払われることがあるようです。
思い切って転職する
介護職員処遇改善加算をもらったり夜勤手当てを増やしたりしても、なかなかお給料が上がらない…という場合は思い切って転職してみても良いかもしれません。実績やスキルが評価されない、仕事内容にお給料が見合わない施設で働き続けていては、身も心もボロボロになってしまいます。
劣悪な環境で我慢して働き続けるのではなく、国家資格である介護福祉士のスキルを活かせる場所にチャレンジしてみても良いのではないでしょうか。
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