介護の基礎知識
2019/03/05

ご利用者を深く知るためには重要!要介護認定ってどんな制度?

要介護認定がどのようなものなのか、しっかりと理解できている介護職の方はどのくらいいるのでしょうか?今回はここで要介護認定についてもう一度復習しましょう。要介護認定について知っていると利用者さんの状態が見えてきて介護がますます面白くなるかもしれませんよ。

施設を利用する方の多くは要介護認定を受けている人です。そのため、要介護認定という言葉は聞きなれている方が多いかと思います。しかし、要介護認定がどのようなものなのか、要介護認定の1~5がどのような人に当てはまるのかをしっかりと理解できている介護職の方はどのくらいいるのでしょうか?今回はここで要介護認定についてもう一度復習しましょう。要介護認定について知っていると利用者さんの状態や必要としていることが見えてきて介護がますます面白くなるかもしれませんよ。

要介護認定とは?

まずは、要介護認定がどういった制度であるのかをご紹介します。

法的に見た要介護者

要介護認定とは要介護者であるかどうか、要介護者であった場合要介護のいくつに区分されるかを判定するものです。要介護認定は介護の必要量を全国一律の基準に基づき、客観的に判定する仕組みとなっています。また、要介護者とは、常時介護を必要とすることが見込まれる状態のことを言い、その程度によって要介護1~5までに分類されます。介護保険法713、介護保険法施行規則2によると、要介護者とは「身体上又は精神上の障害のために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、6か月にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態の人」を指しています。

要介護1~5で状態はこんなに違う!

要介護1~5でどのような状態であるのかをそれぞれご紹介します。

【要介護1】 生活の一部について部分的に介護を必要とする状態。

食事や排泄はほとんどひとりでできるものの時々介助が必要な場合があり、立ち上がりや歩行などに不安定さが見られることが多く、問題行動や理解の低下が見られることがある場合(この状態は要支援2も該当しますが、適切な介護予防サービスを利用しても状態の維持、改善が見込まれない人が要介護1となります。)

【要介護2】 軽度の介護を必要とする状態であり、食事や排泄に何らかの介助を必要とすることがあり、立ち上がりや片足での立位保持、歩行などに何らかの支えが必要な場合。

衣服の着脱はなんとかできるものの物忘れや直前の行動の理解の一部に低下がみられることが特徴。

【要介護3】 中等度の介護を必要とする状態で食事や排泄に一部介助が必要な状態。

立ち上がりや片足での立位保持などがひとりでできず、入浴や衣服の着脱などに全面的な介助が必要で、いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがあるのが特徴。

【要介護4】 重度の介護を必要とする状態で食事は時々介助が必要であるものの、排泄、入浴、衣服の着脱には全面的な介助が必要な状態。

立ち上がりや両足での立位保持がひとりではほとんどできず、多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられる。

【要介護5】 最重度の介護を必要とする状態。

日常生活を遂行する能力は著しく低下しており、食事や排泄がひとりでできない。歩行や両足での立位保持はほとんどできず、意思の伝達もほとんどできない場合が多い。

要介護者ってどのように認定されるの?

次に要介護者とはどのように認定されるのかをご紹介します。

要介護認定はどのようにして行われるの?

要介護認定は認定調査員による調査と、介護認定審査会による審査によって行われます。要介護認定を受ける場合には、まずお住いの市区町村など公的機関の窓口で申請をします。そうすると市町村の認定調査員による心身の状況調査(認定調査)及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定である一次判定が行われます。次に保健・医療・福祉の学識経験者により構成される介護認定審査会により、一次判定結果および主治医意見書等に基づき審査判定を行う二次判定が行われます。この結果に基づき、市町村が申請者についての要介護認定を行い、要介護要支援か否か及び要介護要支援の段階が判定されます。

要介護に認定された人ってどのくらいいるの?

要介護者に認定された人は日本の高齢化社会に伴い年々増加しており、平成27年度末で要介護又の認定を受けた方は全国で435.2万人にも昇っています。また、介護度別の人数としては要介護1が119.8万人、要介護2が105.1万人、要介護3が79.1万人、要介護4が72.8万人、要介護5が58.4万人となります。10年前である平成17年と比べると要介護者はおよそ1.5倍も増加しており、高齢化に伴い今後も増加していくことが予測されます。また、被保険者に占める要介護者の割合を見ると65~74歳では2.9%、75歳以上では23.5%となり年齢が上がるにつれて増加傾向にあります。

若い人でも要介護認定?特定疾病選定基準とは

要介護認定と聞くと一般的に高齢者が受ける認定制度と考える方が多いかもしれませんが、実は64歳以下でも要介護認定を受けている場合があります。それは特定疾病を患っている人です。特定疾病とは「心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であって次のいずれの要件をも満たすものについて総合的に勘案し、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病」と定義されています。つまり、加齢によって起こる可能性のあることが医学的に証明されている疾病が特定疾病に当たります。

特定疾病選定基準を満たす要件とは、以下の2点になります。

  • 65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められる等、罹患率や有病率(類似の指標を含む。)等について加齢との関係が認められる疾病であって、その医学的概念を明確に定義できるもの。
  • 3~6ヶ月以上継続して要介護状態又は要支援状態となる割合が高いと考えられる疾病。

要介護認定が起用されるのは16の特定疾病と呼ばれる疾患で、具体的には医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断した末期がん、関節リウマチなどです。しかし、ただこれらの疾患にかかっていれば要介護認定を受けられるというわけではなくそれぞれに細かい条件があり、その条件を満たした人だけが要介護認定を受けられるようになっています。そのため、介護現場で65歳以下の人がサービスを利用していた場合にはこの特定疾病による選定基準が適用されていると考えるとよいでしょう。

参考:16の特定疾病
末期がん、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、後縦靱帯骨化症、骨折を伴う骨粗鬆症、初老期における認知症、パーキンソン関連疾患である進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病、脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症、多系統萎縮症、糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症、脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

要介護者が受けられるサービス

要介護認定を経て、要介護に認定された方は介護給付というサービスを受けることができます。介護給付とは介護が必要と認められた人に給付される介護保険の保険給付であり、介護度によって以下の金額のサービスを受けることができます。

  • 支給限度額

要介護1 166,920円
要介護2 196,160円
要介護3 269,310円
要介護4 308,060円
要介護5 360,650円

この介護給付ではどのようなサービスを受けることができるのでしょうか?

在宅サービス

要介護者が受けられる在宅サービスは

  • 居宅介護支援(ケアマネジメント)
  • 訪問介護(ホームヘルプ)
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導
  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護(ショートステイ)
  • 特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与
  • 福祉用具販売
  • 住宅改修費の支給

などがあります。なお、居宅介護支援については、サービス費用の自己負担はなく、全額を保険で負担されます。

施設サービス

要介護者が受けられる施設サービスには

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設(老人保健施設)
  • 介護医療院
  • 介護療養型医療施設(療養病床等)

があります。なお、介護療養型医療施設は2024年3月末までに廃止することが現段階で決定しています。

地域密着型サービス

要介護者が受けられる地域密着型サービスとは

  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
  • 地域密着型通所介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

などがあります。

要介護度を知っていると介護職にどんなメリットがあるの?

要介護度を知っていることで介護職の方にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

介護度に合わせた適切なケアができる

介護職の方は入居者に対して自力ではできないことを手伝うことが仕事です。ですが、できることまでやってあげてしまうと、要介護者の介護度をさらに高めてしまうこととなってしまいます。要介護認定による介護度を知っていることで要介護者の残存機能を十分に把握することができ、介護度に合わせた適切なケアを行うことができます。

認定調査の際に適切な対応ができる

要介護認定の認定調査が来ると要介護者はついつい頑張ってしまいいつも以上に実力を発揮してしまう方が多いものです。しかし、そうすると要介護度が本人の介護必要度よりも下がってしまい適切な介護を受けることができなくなってしまいます。認定調査員は本人のADL(自立した生活の指標)を見た後、施設に入所している場合には施設の職員に本人の生活状況を確認します。その際に要介護度を知っていれば、適切な情報提供をすることができます。

まとめ

普段要介護いくつというのを耳にしているものの、実際に知ると介護度によって身体機能のレベルも違いますし、受けられるサービスも変わってくることが理解できたでしょうか。要介護度を知ることで相手を理解したケアを提供することができるようになるでしょう。

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