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介護の基礎知識 業界動向
2021/03/04

一人夜勤の介護施設は多い?実態や問題点、面接時の確認事項を解説

ライフスタイルの変化や待遇面を考慮して、夜勤の求人を探している人も多いでしょう。 介護施設は長時間一人夜勤を行っているところも多く、職員の健康面や入居者への影響が懸念されています。 本記事では一人夜勤の実態や問題点、面接時に一人夜勤の頻度が高いことが分かった場合に確認すべきポイントについて、詳しく解説していきます。

ライフスタイルの変化や待遇面を考慮して、夜勤の求人を探している人も多いでしょう。

介護施設は長時間一人夜勤を行っているところも多く、職員の健康面や入居者への影響が懸念されています。

本記事では一人夜勤の実態や問題点、面接時に一人夜勤の頻度が高いことが分かった場合に確認すべきポイントについて、詳しく解説していきます。

介護職の一人夜勤の実態

介護業界での夜勤を一人で行うことは、決して珍しいことではありません。

日本医療労働組合連合会(以下、日本医労連)が全国の143施設に調査した結果によると
・仕事が長比較時間になりやすい2交代制…87.0%
・夜勤1回の労働時間が16時間以上…72.3%
・一人夜勤体制の施設…グループホーム・小規模多機能型居宅介護(小多機)・看護小規模多機能型居宅介護(看多機)
・一人夜勤体制は特別養護老人ホームでも5割を超えている
・夜勤明けも通常通り働くケースがある施設は、全体の40.9%
・夜勤日数(回数)で見ると、2交替夜勤の施設では4回以内が60%弱
・十分な仮眠室がない施設は約40%(特に看多機では、約90%の施設に仮眠室がない状況)

また2交替制の介護職員の夜勤手当は、正規職員が平均6,125円、非正規職員が平均7,753円になっています。

介護職の一人夜勤の問題点

介護職は一人夜勤が多いことが分かりました。一人夜勤を行うことによって以下の問題が浮き彫りになります。

  1. 緊急時の対応が困難
  2. 休憩時間が取れない
  3. 虐待リスクが高まる

なぜなのか?その理由について説明します。

緊急時の対応が困難

医療機関での夜勤とは異なり、介護施設では夜間の救急対応を行えません。そのため入居者の容体によっては、救急車の手配、看護師への引き継ぎ、心臓マッサージなどの蘇生処置が求められます。

緊迫した状況を他の入居者が敏感に感じ取り、起き出したり、パニック状態に陥る人も出てくるでしょう。一人一人を落ち着かせる時間も必要です。

日本医労連が、夜間帯の救急対応の有無(救急車の要請、医療機関への受診が必要となるケース)を123施設に調査したところ、約3割が「ある」と回答しました。平均要介護度の高い特養、病院と在宅の中間施設にあたる老健では、約4割~5割弱と「ある」の割合が高くなっています。

休憩時間が取れない

長時間の夜間勤務にも関わらず、休憩を取れない日も少なくありません。ナースコールやセンサーマットの対応に追われ、夕食もまともに食べられないこともあります。

日本医労連の調査結果では、「十分な仮眠室はない」と回答した施設は約4割にも上っています。そもそも、職員が落ち着いて休める環境が整備されていない施設が多いのです。

適切な休憩が取れないと、体の疲れが抜けず、体調を崩しやすくなります。生活リズムが狂い、日中や夜間問わず眠気がとれない状態になるでしょう。休めないプレッシャーや、睡眠時間が確保できないストレスが蓄積していくのです。

その状態が悪化すると、幻聴や幻覚を見るようになり、精神科の受診が必要になるケースもあります。実際に、ストレスが原因でうつ病などの精神疾患を発症した介護職員は、2009~2014年までの5年間で2倍以上に増えているのです。

虐待リスクが高まる

厚生労働省の調査結果によると、2020年の虐待判断件数は「要介護施設従事者等によるもの」が644件でした。2013年の221件と比較しても、介護職による入居者への虐待は、年々増加していることが分かります。

2016年にUAゼンセン 日本介護クラフトユニオンが公表した「高齢者虐待防止に関するアンケート」の調査結果では、高齢者虐待の原因は「業務の負担が多い」が54.3%、「仕事上のストレス」が48.9%と考えている介護従事者が多いことが判明しています。

職員一人に対する負荷が高いうえ、休憩が取れない、眠れない、ストレス過多の状態が続くと、入居者への虐待リスクが高くなると言えるでしょう。

一人夜勤が多い介護施設で確認すべきポイント

精神的・身体的な面を考慮しても、一人夜勤がない施設を選ぶのが最善です。

しかし、もし面接時に一人夜勤の頻度が高い施設だと分かった場合、以下のこともあわせて確認してみましょう。ポイントを踏まえたうえで、総合的に判断することをおすすめします。

夜間の緊急時対応が整備されているか

夜間に緊急事態が発生した場合、しっかりと機能する体制が確保されているかを確認しましょう。地震・火事などの災害や、容体が急変した入居者がいた場合でも、1人で対応する訓練・対処法が確立していれば安心です。

また、安全性を担保するための活動、過去の事故発生数、事故があった場合の再発防止に向けた取り組みなども重要です。危機管理意識の程度を把握でき、働きやすさにも繋がります。

休憩・仮眠する時間が取れるか

夜勤時に休憩が取れないのは労働基準法違反※です。入居者のニーズに合わせて働くことが要求される介護業界では「休憩がなくても仕方ない」と言われがちですが、決してそんなことはありません。

※第34条(休憩)
1.使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

健康的に長く仕事を続けていくためにも、休憩時間を確保できるかどうかは、しっかりと確認しましょう。歯切れの悪い回答が返ってきた場合は、取れない可能性があります。

また、夜勤中に仮眠できるか、仮眠室があるかも確認ポイントです。仮眠室がある施設は、仮眠を取らせることを前提で建設しているため、管理者に理解がある場合が多いと言えるでしょう。

IoT機器や介護ロボットを活用しているか

一人勤務を行っている施設の場合、IoT機器や介護ロボットを活用しているかも重要な確認ポイントです。一人体制でも、入居者の見守りを効率的に行える環境かが分かります。

入居者の転倒防止のための離床センサーやセンサーマットが備え付けられているか、排せつのタイミングが分かる機器が導入されているか、パソコンからエアコンの遠隔操作や入居者の睡眠状況を把握できるか、などを聞いてみましょう。

特にリアルタイムで入居者の状態を把握できれば、徘徊や転倒などのトラブルを未然に防げます。また、業務負担が軽減されるため心因的なストレスが減り、ケアの質も向上するでしょう。

まとめ

一人夜勤を採用している介護施設の割合は高く、勤務時間が長い、休憩時間を取得できない、仮眠室がないといった施設も多く存在します。

一人夜勤が常態化すると、緊急時の対応が困難になったり、適切な休憩が取れず健康に影響を及ぼしたり、虐待リスクを高める原因になるのです。

夜勤専従で働きたい場合は、面接時に一人夜勤の体制か確認しましょう。

また、IoT機器・介護ロボットが活用されているか、緊急時の対応が確立されているかをあわせて確認し、施設の危機管理意識を把握したうえで決めることをおすすめします。

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